ダービーが終わって1日が経ちました。
少し気持ちが落ち着いたので、ダービーについて書きます。
ダービーは競馬の祭典です。
競走馬にとって一生に一度しかないレースです。
そんなレースは競馬界に関わる関係者や、競馬ファンにとって特別なレースです。
他にもビッグなレースはたくさんありますが、ダービー以上はないと言っても過言ではないのがダービーで特別なレースです。
毎年多くの馬たちがこのレースを目指してデビューしてきます。
そんなレースに参加できるのは、最大で18頭、18人の騎手だけです。
今回のレースには19頭の馬が登録されていましたが、19番目の除外対象でもありましたが、トーセントラム号が登録しており、そのトーセントラム号には藤田菜七子騎手がエントリーされていました。
結果木曜日には回避馬がでず、除外が決定されましたが非常に注目されました。
女性初のダービーへの騎乗はならなかったですが、夢のある選択肢のひとつで祭典を盛り上げてくれるきっかけとなったとも思います。
藤田菜七子騎手はここ数年苦戦を強いられていますが、今も絶えず技術や成績の向上に努めて、騎乗数も減っていて、馬質も決して良いとは言えない中でも、成績向上に努力しているのもファンならわかっていると思います。
女性騎手が活躍できる背景に藤田菜七子騎手の頑張りによって、斤量の減量特典などが女性騎手につくようになったのも、藤田菜七子騎手が注目され、その中で実力を示してきたおかげもあると思います。
世界では女性騎手に減量特典があるのも普通になっていたので、日本もその流れを遅いながら取り入れたわけで、その後に続く女性騎手たちも活躍できるようになったのは、先駆者である藤田菜七子騎手の功績だと言えます。
そんな藤田菜七子騎手に女性初のダービー騎乗をというのは多くのファンも期待したのではないでしょうか?
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結果藤田菜七子騎手の騎乗はなかったですが、ダービーとは祭典でもあるのでそういう話題が盛り上げるのに一役買うのは良いことだなと思います。
選ばれし18頭と18人の騎手で第90回という記念ダービーは開催されました。
波乱はいきなり訪れました。
スタートしてすぐドゥラエレーデ号が躓いて坂井瑠星騎手が落馬して空馬に。
8番人気のドゥラエレーデ号はいきなりレースを終えたが、ドゥラエレーデ号は他の馬について1周のレースに付き合って2400mを走り切ったのが馬の本能なんだなって感じました。
主導権は8枠17番ドゥラエレーデ号の隣の8枠16番パクスオトマニカ号が出負けした後から積極的に前にあがっていき、外から先頭に立ち、好スタートから先行していたホウオウビスケッツ号が2番手に控えて、前の馬が抑えに入ったために2コーナーに向かうころにはドンドンスローな流れになっていきました。
3番手のシーズンリッチ号も抑えにいって、スローの流れが決定的になりました。
遅くなったときほとんどの馬が隊列をキープして前に仕掛けにいかないので、先頭にいたパクスオトマニカ号は徐々に離れてリードを広げていきました。
2番手以降は完全にスローで、勝ち馬になったタスティエーラ号は全体の4番手、そのすぐ後ろに2着になったソールオリエンス号がいました。
スローになった展開で動くことができなかった騎手が多かった中、向こう正面で積極的に前に進出してきたのが、ハーツコンチェルト号の松山騎手とスキルヴィング号のルメール騎手でその後ろの集団まで取り付きました。
結果スローで流れた2番手以下の集団で4コーナーあたりから用意ドーンという競馬になってしまうと、前が止まらない昨日の東京競馬場の芝コースでは、2番手集団の前に行っていた馬たちも33秒台であがっているので良い位置をキープした馬が結果上位にきてしまう流れでした、
個人的には武豊騎手の連覇を期待してファントムシーフ号を応援していたんだけど、用意ドーンの競馬になってしまうと前で良い位置で良いコースを走っている馬に同じ脚を使われたらそのままの流れになって勝負にならなかったことを武豊騎手も悔やんでいると思います。
ファントムシーフ号は一瞬で切れる脚ではない持続型のタイプなので、武豊騎手が、向こう正面で『結果的にはもっと行くべきだったかもしれず、勇気が足りなかったかもしれません』と言ったのが、このレース展開なら、前にとりついていっておけばダービー制覇も可能性があったと感じたからでしょう。
ファントムシーフ号は枠も外枠の方だったので、枠なりにスタートが早くなかったので控えてしまったのもあると思いますし、2番手以降の先行馬が楽な流れになってしまったのも、ファントムシーフ号のレースでの脚をテン乗りで把握しきれてない部分があったのも結果8着となってしまったのも納得いきます。
前にいった馬と脚が同じになってしまったら悔やまれます。
それだけ前が止まらなかったという感じでしょう。
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ハーツコンチェルト号の松山騎手は良い騎乗だったと思います。
一瞬の判断が結果着順を左右するので、2コーナーからしっかりあがっていった判断は好判断で、結果3着に繋がったし、ダービー制覇の可能性もあった僅差の3着でした。
ソールオリエンス号は良い位置取りではありましたが、用意ドーンのレースになったら皐月賞のようなはまった展開ではなかったという感じでしょう。
力は上位ですが、抜けているというレベルではなかったのかもしれません。
それでも僅差の2着はさすが皐月賞をとったG1ホースと言えます。
引用元
JRA 日本中央競馬会HP から写真を引用させてもらっています。
3着になったハーツコンチェルト号とともにあがっていき良い位置取りであがっていったスキルヴィング号。
ルメール騎手らしい好判断で青葉賞馬のダービー制覇を期待されたスキルヴィング号でしたが、まさかのことが起こりました。
直線に向くまで良い手ごたえにもみえましたが、その直後アクシデント発生・・・。
その異変に気付いたルメール騎手は追うのをやめて後方へ下がっていきました。
なんとかゴールまでたどり着いたものの急性心不全を起こしており、止まってルメール騎手が下りると、それを待っていたかのようにフラフラ歩いてと内ラチ沿いで頭から崩れてそのまま横たわってしまった。
その後動くこともない姿に心肺系の異変を起こしているのはわかった人も多かったかもしれないです。
苦しい中最後まで本能で立ち続けたスキルヴィング号。
ルメール騎手を乗せたまま倒れることなく、寄れた中ルメール騎手の方に倒れることなく、最後までルメール騎手を守った姿になんとも言えない気持ちを覚えたファンの形も多くいたでしょう。
競馬の世界ではあってはならないことですが、不幸な事故は良くおこるものです。
ときに残酷な結末も生むわけで、いちファンとしてそういう度にショックを受けますが、競馬の素晴らしさも感じています。
個人的には馬券には全く興味がないかたちで30年以上ファンをしています。
スキルヴィング号のアクシデントはダービーという祭典だっただけにショッキングなものでした。
残酷なものや、辛いことや、厳しい現実の中に限られた栄光というものもあります。
競馬というものは続いていくものでそこに携わる人がいるので、なくなるものではないので、ギャンブルというカタチではなくスポーツや競技やレースという、栄光や名誉や富を目指してその背景を踏まえて、そこにかける人や馬の生き様を応援しようと。
辛い光景をみてしまうとほんと何日か引きずってしまいます。
その都度みるのもやめたくなることもありますが、今も見続けるのはあってはならない悲劇も競馬というもののひとつで、そのつらいことも記憶して誰かの中で生きるということが、そこにいたということ、その時代を生きたという証拠かなとも思うからです。
この記事を書くのに気持ちが少し落ち着くのに1日かかりました。
自分にとっては今年のダービーは勝った馬よりも、スキルヴィング号のゴール後の姿の方が焼き付きました。
ライスシャワーやサイレンススズカなど好きな馬がアクシデントを起こしたレースなどでも勝った馬よりつらい記憶の方が残る。
無事にレースを終えて、無事に全馬ひきあげていくことがどれだけありがたいことなのか、感じるレースになりました。
スキルヴィング号がどうぞ安らかに・・・・。
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