すごくエモい曲なのがサザンオールスターズが1990年7月にリリースした『真夏の果実』です。
イントロを聴くだけで、想い出すよな時代が誰にもあるのではないでしょうか。
どんな時代のどんな世代にも刺さるような曲が名曲と言えるならば、この曲は名曲のひとつにはきっとあがる1曲です。
曲調は癒されるようなバラードですが、伝えれなかった想いを届けたい誰かに向かって発している感じがエモいし、共感を呼ぶのではないでしょうか。
今回の曲の動画など↓ 聴いてみてください。
曲名
真夏の果実
アーティスト名
サザンオールスターズ
リリース
1990年7月25日
作詞 ソングライター: 桑田佳祐
以降歌詞引用などは、出典:桑田佳祐 『真夏の果実』より
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この曲の構成はおおまかにみると
Aメロ1番
↓
Bメロ1番
↓
サビ1番
↓
Aメロ2番
↓
Bメロ2番
↓
サビ2番
↓
ラスサビ(大サビ)
となっています。
リスナーとして音楽の構成などを意識しながら聴いてみよう。起承転結のストーリーが心地よい。AメロからBメロからサビとか、ソロからCメロそして落ちサビからのラスサビのような展開。 - ねこぷろ
歌詞より Aメロ1番 Bメロ1番
涙があふれる 悲しい季節は
誰かに抱かれた夢を見る
泣きたい気持ちは言葉に出来ない
今夜も冷たい雨が降るこらえきれなくて ため息ばかり
今もこの胸に 夏は巡る
出典:桑田佳祐 『真夏の果実』より
イントロはC | G | Am | Em | F | C | C | Gのカノン進行
Aメロはヒット曲などの定番でもあるカノン進行がつかわれています。
C | G/B | Am7 | Em7 | Fadd9 | C | Dm7 | G7
若干崩しがあるところが味を出しています。
BメロはFM7 | G7 | Em7 | A7のJPOPの王道進行で飽きにくい曲に仕上がっています。
このあたりがCメロがないこの曲なのに仕上がってメロとサビの繰り返しで豊かに仕上がっているのかなと感じています。
イントロからこの曲は引き込んでAメロへと進行してくれるので、歌詞もあいまって情緒たっぷりの曲で夏の終わりに聞きたくなるような曲です。
言葉にできないくらい寂しい気持ちや、泣きたいくらい切ない想いをいいあらわせなくって、冷たい雨と暑い夏という対極のものを表現しながら、哀愁を感じさせているところが言葉の選択が日本語の美を感じます。
歌詞より サビ1番
四六時中も好きと言って
夢の中へ連れて行って
忘れられない Heart & Soul
声にならない
砂に書いた名前消して
波はどこへ帰るのか
通り過ぎ行く Love & Roll
愛をそのままに
出典:桑田佳祐 『真夏の果実』より
AメロBメロの言葉にできないような想いを
『四六時中も好きと言って』などの言葉で
想いを伝えたい人への、忘れられない人への、もう二度と逢うことができないだろう人への過去との想い出を踏まえて、伝えたかった想いや、今伝えたい想いであって。
伝えれなかった言葉、聞きたかった言葉。
また逢いたいっていう想いを発しているようにおもえます。
夏の海辺に想い出を残しているかのようにその想い出が波にさらわれていく感じが自分ではどうしようもないような大きな海のような、逆らえない流れに飲み込まれていく感じで、生きていくことは忘れることで、砂に書いた名前のように消えていく想い出で、相手にとっては消えたことかも知れないけど、自分の想いはまだ残っているよって言っている感じが夏が終わろうとしてても終わってないよみたいな哀愁がある歌詞になっているのではないでしょうか。
歌詞より Aメロ2番 Bメロ2番
マイナス100度の太陽みたいに
身体を湿らす恋をして
めまいがしそうな真夏の果実は
今でも心に咲いている
遠く離れても 黄昏時は
熱い面影が胸に迫る
出典:桑田佳祐 『真夏の果実』より
太陽はあついものですが、マイナス100度という表現から、凍てつくように冷たいという感じから、熟れた果実のような恋愛感情から心も身体も冷めてしまった的なギャップを感じながらも、自分の中にはその果実は熱い面影として想い出しているよと忘れれない想いを発しているのではないでしょうか。
相手には枯れて、冷めてしまったものだとしても、自分の中では今も心に咲いているよと伝えたい相手がいると感じます。
それが恋愛感情に限らず、きっと伝えれないところに離れていった大事な人をおもう気持ちをあいまって、真夏のイメージがお盆だったりお墓参りなどのイメージもある中で、大事な人への忘れれない想い出だったり、想いだったりなんじゃないかなと・・・。
だから胸にこみあげるものです。
歌詞より サビ2番
四六時中も好きと言って
夢の中へ連れて行って
忘れられない Heart & Soul
夜が待てない
砂に書いた名前消して
波はどこへ帰るのか
通り過ぎ行く Love & Roll
愛をそのままに
出典:桑田佳祐 『真夏の果実』より
1番のサビの『声にならない』の部分が2番のサビでは『夜が待てない』
となっています。
これはたぶん大サビ(ラスサビ)に繋げるため『夜が待てない』となっているんだとおもうのですが、、伝えれなかった想いを今すぐにでも伝えたい、届けたいっていう想いの強さが増しているんだと感じます。
どれだけ伝えたいと思っているのかが、伝えたい想いがある人にはすごく共感できる部分となりますね。
音楽の歌詞ってそういう共感できる想いへキュンとなるものです。
ほんと伝えたいことで伝えきれてなかったことって誰にでもあるものです。
歌詞より ラスサビ(大サビ)
こんな夜は涙見せずに
また逢えると言って欲しい
忘れられない Heart & Soul
涙の果実よ
出典:桑田佳祐 『真夏の果実』より
そんな降り積もる想いに、『こんな夜は涙みせずに また逢えると言って欲しい』という言葉に、自分の届かなかった想いが届いて欲しい。
逢えるという儚い可能性を残して欲しい、ありえないこととしても夢をみせて欲しいくらい伝えたい、伝わって欲しい想いがあるってことで、忘れられない涙で熟した果実に育っているのかも知れません。
いつか枯れゆく熟れて散りゆくものだとしても、自分の心には今も変わらず残っているよと伝えたい人や想い出がある人にはきっとキュンとなる名曲だと思います。
失恋ソングとも、お別れした大事な人、親族や友人なのかもしれないですが、誰にでも忘れがたい想い出や想いみたいなものがあれば、こんなタイミング(季節や時期)だけは想い出したいと共感できるタイミングもあるでしょう。