その1 隣はなにを?
五代くんと響子さんがはじめて出会うシーンですが
この第1話にして
登場人物の性格やキャラクターなどがしっかり鮮明になっているのが高橋先生のすごいところです。
出ていくといっている五代くんに対して
一の瀬のおばさんは
『どうせ模試の結果が悪かったんでしょ』
五代くん
『環境が悪いんですよ。徹底的に』
四谷さん
『自分の頭の悪いのを環境のせいにしている』
五代くん
『頭は悪くない。運が悪いんです』
朱美さん
『みんながかまうからつけあげるのよ』
『相手にしてもらおうと思ってさ』
などとたったこれだけの会話でもそれぞれの個性が出ています。
四谷さんの名言とも言われた、五代くんの部屋の押入れから隣の部屋の朱美さんを四谷さんが覗いている時に
五代くんは
『さっき廊下でみたのと同じじゃないですか』
と言ったのにたいして
四谷さんは
『こーゆーのはこっそり覗くから、風情があるのです』
と達観した言葉を残しています。
管理人になったばかりの響子さんにたいして朱美さんが、五代くんが覗きをと穴をみつけると『変態浪人』と朱美さんに突っ込まれますが、五代くんが管理人さんに、四谷さんがあけたこの穴をみてくれと言うと
『おとなりは四谷さんですよね』
『あなた、男ものぞくんですか?』
と管理人さんが突っ込むあたり秀逸です。
五代くんは管理人の響子さんから
『明日、模試があるのでしょう』
管理人さんの修理している姿をみて
『腰がどうかしましたか?』
とエッチな妄想を働かせているところなど五代くんの性格やキャラが出ています。
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明日模試があるから管理人さんの歓迎会を途中で抜けるといっていた五代くんの部屋で響子さんの歓迎会がはじまります。
『浪人さんに迷惑では』
と心配する響子さんにたいして
この部屋が一番荷物少ないからねとか(一の瀬)
かまいません結果は同じです(四谷)
こうやって騒いであげれば模試の成績が悪い理由ができるでしょ(朱美)
と達観したような住人の声に
響子さんも
『浪人さん』と呼んでいたので
『浪人・浪人言わんでください』と五代くんに言われてしまいます。
傷つけるつもりではないのに響子さんまで五代くんを傷つける流れになるのが
響子さんの少し鈍感なところなどが出ている感じです。
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押し入れに逃げ込んだ五代くんに対して、傷ついていると心配する響子さんに対して
『出た天の岩戸』(朱美)
『傷ついた五代くんの心を慰めるべく、歌を歌いましょう』(四谷)
などと茶化します。
それをやりすぎと心配する響子さんに対して
住人たちは
『管理人さんがストリップやってる』(四谷)
などいうと、こっそりと押し入れをあけて外を覗きみる五代くんを外に引きずり出して
『こういう男なんです』(四谷)
『まともに同情したら、バカみるわよ』(朱美)
『くそ~騙したなー』(五代)
『タフなんですね』(響子)
というように、第1話はドタバタの中ではじまっていきます。
そんな一刻館での管理人として一緒に生活していくことや付き合っていくことに
不安を覚える響子さんですが、五代くんも浪人してこの住人たちと数ヶ月で馴染んだように響子さんもここに馴染んでいくことを暗示しています。
1話では、五代くんもまともそうにみえて変わり者ではあるのですが、やはり
住人に感化されてたくましくもなるし、その個性や変わっている部分も磨かれていきます。
それと同じように管理人として入った響子さんもイメージとは違う部分もドンドンと引き出されていきます。
めぞん一刻が持つ、一刻館をめぐる人間喜劇の部分が強く出ている感じでラブコメの要素はまだ薄い感じです。
1話に出てくる面々が最終話の最後のシーンを飾るのもめぞん一刻が秀逸なマンガだと言えます。
これからいろんなシーンを書いていこうと思います。
めぞん一刻に興味をもっていただければ幸いです。