陸上ファンでなくとも不破聖衣来選手のことを知っている。
そのくらい知名度があるのが不破聖衣来選手です。
大学4年生になった不破聖衣来選手ですが、大学に入学してからの1年目のシーズンの走りは伝説級で、一気にニューヒロインとして色々なメディアにもとりあげられました。
駅伝で走るたびに区間賞、区間記録更新などインパクトのある走りをし続け、トラックでも10000mで日本歴代3位で日本人学生記録の30分45秒21の記録もたたき出しています。
そんな不破聖衣来選手だからこそ多くの注目を集めてきましたが、怪我などが続き2年生3年生のシーズン思うような走りやキャリアを踏むことができませんでした。
そんな不破聖衣来選手が大学4年生のラストシーズンになって怪我などから復活の狼煙をあげる状況まで戻ってきました。
そして学生最後になる日本インカレで10000mを走り、最初から先頭を引っ張りラスト5周まで先頭を譲らず、最終的には優勝した立教大の小川陽香選手から8秒差の33分12秒79の7位でゴールしました。
30分台の記録を持つ不破聖衣来選手にとってタイム的にも順位的にもまだまだという風に思うかもしれませんが、内容は非常にプラスなものでした。
まずは怪我からの復帰というか、怪我などで苦しんできた中で試行錯誤しながらフォームなどの走りを変えてきたというのが印象的でした。
不破聖衣来選手は小柄な選手ですが、腰高で中距離選手のような腕振りとスピードでバネの効いたストライドの大きい身体を大きくみせるような綺麗なフォームが印象にあります。上体もしっかり起こして長距離にしっかりとしたストライドを確保するイメージです。
それでいて身体の中心で着地できていたので抜群のスピードと反発力を生かしながら、強い心肺で最後まで力強く走り抜けるというのが異次元でした。
小柄の細い身体ですから、言ってしまえば軽量化された小さな車に、ビッグパワーを生み出す大きなエンジンを載せているからこそ他を圧倒する走りをしてきたと言えます。
不破聖衣来選手は中学時代から都道府県対抗女子駅伝に出場し区間新記録を出すような選手なので、抜群のスピードは天性のものと言えます。
スピードがある選手が、身体が出来上がってきて、バランスが整って本格化したのが大学1年のときだったという印象です。
しかしながらその走りの代償が怪我などに繋がったと言えます。
期待される、注目される選手になってしまったからこそ、結果も残さなければならないというプレッシャーにもさらされることになりました。
それが怪我や不調や不振に繋がるシーズンをラストイヤーまで引っ張ってしまったことにつながりました。
間違いなく逸材です。
そして今も変わらない逸材です。
注目される選手だからこそ、そこにたどり着くまでに時間がかかってしまったと言わざるを得ない状況だったわけです。
最後のインカレでみせた走りは今後に期待できる走りでした。
なぜ期待できるかというと、まずはメンタルが戻ってきた点です。
最初から最後の5周目まで先頭を走るということは強いメンタルがないとできません。
またそこにいく平均的なスピードというのがないと出れません。
インカレという勝負だけみれば、順位を狙うのであれば誰かについて走る方が楽に順位を狙えます。
そんななか、不破聖衣来選手は自分で引っ張るというレースをしました。
先頭を引っ張るということは常にプレッシャーがかかった状態です。
それが誰よりも長い時間受け続けるというのはメンタルとそこを走るスピードやスタミナという強さが揃ってないと難しいです。
大学1年のころの不破聖衣来選手ならば、平均的なスピードとスタミナの違いで他の選手を付かせないような走りができていたのかもしれません。
それができなくなったと悲観的にみる必要はないと思います。
走りが怪我をしない走りというか、怪我を経験したからこそそこから復活するための走りに変わってきているという印象です。
春のころの走りとも変わってきて、今の走りの方が良い印象です。
もともと腰高でストライドが大きな選手でしたが、春のころはストライドを意識してなのか、着地位置が前でブレーキがかかったような怪我も気になる印象がありました。
それが腰の位置は以前よりは低い印象ですが、脚の運びはシーズンの中で良くなってきていて、スムーズさがでている印象でした。
身体も軽くなってきた感じの走りなのかなということで走りに上積みが感じられました。
腰高ではあるけど、以前より低く感じたのは、スピードに対する強度で、それは距離などを踏んでスタミナが強化されたらまた変わるのかもという感じはしましたが、以前よりは脚などにかかる負担を意識したものなのかなとも感じました。
反発力やバネを意識した走りから、バランスを意識した走りへと変わっていっているのかなとも感じました。
腕振りなどからも長距離仕様な印象で、コンパクトにして、腰が下がった分ストライドが落ちて、以前のスピードからは落ちる部分はでるかもしれませんが、長距離を走る上では省エネ化された走りに変わっているのかなと感じて、不破聖衣来選手が将来活躍する分野がどこかを考えたときにおいて、5000m以上マラソンなどだろうと考えると全然今後を見据えたモデルチェンジがなされていっているのかなという印象があります。
もともとスピードを持っているし、フォームもきれいでストライドがあって身体も軽いという特徴を大きく活かすのはマラソンとかなのかなと感じています。
パリ五輪でマラソンで6位入賞を果たした鈴木優花選手の走りなどが不破聖衣来選手には刺激が大きかったのではないでしょうか。
不破聖衣来選手は大学1年時に鈴木優花選手と同じ区間を走ったことがあります。
そのとき走った選手がオリンピアンになったということを考えると自分もロス五輪ではという意気込みになっているのではないでしょうか。
不破聖衣来選手は長距離を走る上で小柄でストライドとスピードがある上に心肺機能も優れているというのがあるので、怪我をしない身体作りと、マラソンなどへの強度というものが積み重ねていければ五輪も狙える逸材だと思います。
トラックの10000mからマラソンへという流れも多く見られます。
鈴木亜由子選手なども不破聖衣来選手にとって自分がイメージできる存在かなと思うので、そういうのをみても不破聖衣来選手の今後が楽しみですし、走りのフォームや怪我をしない身体作りというのもしっかりアプローチしていくことになると思います。
そんな中で強い気持ちや明るさがかえってきた良いメンタルでの走りができたということは大きな前進があったのではないかと思います。
最後の5周も集団に飲み込まれてからも最後まで勝負できていました。
他の選手に利用される走りで消費しながらも、最後まで出し切る走りができたというのは強いメンタルが帰ってきている印象です。
一番大事になってくるのはメンタルなのでそこで好転しているということは今後の走りが楽しみですね。
フィジカルも確実に戻ってきている印象でした。
大きな目標を見据えてということができれば社会人になってからの不破聖衣来選手も期待できます。
素晴らしい才能とかわいらしいルックスや人柄をもった不破聖衣来選手なのでこれからも注目していきたいですね。
まだまだ若いのでマラソンなどを目指すのであればここから全盛期を迎えると思うので楽しみしかないですね。
笑顔で楽しそうに走っている不破聖衣来選手がみれたら良いですね。
オフィシャルデータ プロフィール
画像など引用させていただきました
【日本インカレ結果】
— 拓殖大学女子陸上部 (@takudai_ekiden) 2024年9月19日
1500m
予選3組
池主茉弥③
4分33秒61 9位
10000m決勝
不破聖衣来④
33分12秒79 7位
山田愛③
37分06秒16 24位
応援ありがとうございました!#拓殖大学女子陸上部 pic.twitter.com/rIOL0nKMty
ロスへ向けての一歩
— EKIDEN+ (@ekiden_plus) 2024年9月19日
この4年間の苦しい経験が
この先の4年間につながると信じて
拓大の不破聖衣来「この経験を絶対に次のステージに生かさないといけない」…日本インカレで7位 - スポーツ報知 https://t.co/ZN2hOVSZTV
引用元
X(旧Twitter)より写真を引用させてもらっています。
引用元
日本陸上競技連盟公式サイト - Japan Association of Athletics Federations
JAAF 日本陸上競技連盟公式サイト HPから写真を引用させてもらっています。