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スルーセブンシーズ4着からみる凱旋門賞。久しぶりに日本馬に可能性を感じさせてくれた馬群を切り裂く末脚。

 

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昨年は4頭の挑戦となった凱旋門賞に、今年挑戦したのはスルーセブンシーズ1頭でした。

昨年最多の4頭を出し、タイトルホルダー、ドウデュース、ステイフーリッシュ、ディープボンドという有力馬で臨んだ日本陣営が天候や馬場などの大きな影響も受けて、惨敗してしまったということで、凱旋門賞だけにこだわる必要はないんじゃないかという風潮が出ていたところもあってか、スルーセブンシーズの挑戦は無謀かもしれないけど、夢のある挑戦と捉えられていた感じがあります。

 

スルーセブンシーズのおかげで凱旋門賞という競馬の祭典を日本馬を応援しようという目でみていたファンも間違いなくいるので、結果うんぬんよりまず挑戦に夢があったわけです。

チャレンジしなければ絶対に道は開けないから。

 

スルーセブンシーズは今年に入った時点では条件馬でした。

1月に3勝クラスの初富士ステークスを勝ち上がりました。

そのときはあがりは最速ではありませんでした。

しかしきっちり差し切って快勝。

続く3月に1800mのGⅢ中山牝馬ステークスを中団後方から、あがり最速で差し切ってその強さをみせたけれども、やっとGⅢを勝ったにすぎない馬。

続く6月の宝塚記念には完全に伏兵馬として10番人気で臨んでいます。

道中最後方からすぐ前の16番手を進むイクイノックスをみるかたちですすめ、イクイノックスがあがっていくのをみるカタチでスルーセブンシーズも番手をあげながら4コーナーを迎えると外からジェラルディーナなどを捉えてはやめ先頭にでたイクイノックスを内から強襲してイクイノックスには抑えられたものの2着に食い込んだのです。

そこでこの馬は強いと思ったファンも多かったでしょう。

 

何が強いかというと、前がつまってもまたその間をついて伸びてくる。

馬群を割ってでてくる強さがあるっていうのがスルーセブンシーズの強さでしょう。

前がつまらなかったら、フリがなければっていうのが運にも左右される競馬にはなりますが、馬群の中でも割って走ってくるし、中山や阪神の荒れた馬場や不良馬場でもしっかり切れる一瞬の脚を使えるっていう馬に成長してきたというのがスルーセブンシーズの成長です。

3歳時より体重が増えて馬体が成長しているのもありますが、精神面の成長も見逃せない感じでした。

 

 

 

 

 

 

スルーセブンシーズが凱旋門賞に臨むにあたって、幸運もありました。

この時期雨が続いて馬場が不良なことが多いパリロンシャン競馬場ですが、今年は天候に恵まれ例年に比べて馬場が良かった点です。

日本馬を苦しめた馬場の違いは深い洋芝と、凸凹でゆるいどろんこの土ですが、そこが例年より荒れていないということは幸運でした。

 

スルーセブンシーズの凱旋門賞はまずまずのスタートからはじまりました。

そこから他の馬が前にいくのをいかせると後方3・4番手付近でレースを進めます。

そんなに前にいかない流れの中馬群の中で前後関係が入れ替わり、位置取りも変わるのは欧州の厳しいレースの流れで、後ろにつけたスルーセブンシーズはそこをみて走れるので折り合い面では走りやすかっただろうし、そこで我慢させたルメール騎手は流石です。

ただ前の方でごちゃついて流れなければ後ろもつまるということが起き、多少ブレーキを踏むというロスもありながら坂をのぼっていく中で、3コーナーに入ったあたりから隊列が決まって先頭から7馬身付近で後ろから3・4番手そのときに外側に13番エースインパクト(着順1位)その後ろにオネスト(着順3位)がいるという位置でした。

フォルスストレートで外にいたエースインパクトとその後ろにオネストが外目から前にあがっていたとき、外と前が壁になりスルーセブンシーズ後方2番手から直線を迎えることになりました。

直線に入って前の馬が寄れてオネストとの間に挟まれるという厳しい流れになって前も詰まりますが、そこから前を追いながら内に切りこんでいきます。

脚があがった先行馬の横を馬群をさばきながら一瞬の切れる脚で4番手まであがってから大勢が決まってしまいゴールを迎えました。

一瞬夢をみるくらいの切れる脚はみせてくれました。

ここ10年掲示板に乗らないようなレースが続いてきた凱旋門賞で4着入着をみせるというのはスルーセブンシーズは期待に応える走りをしたと思います。

 

ルメール騎手の位置取りや馬群の捌きなど流石でした。

位置取りは間違いなかった中で内か外かの差があった点など、勝負のアヤと言えるレベルの差が運がなかった部分かもしれません。

まず勝ったエースインパクトは強かった。

スルーセブンシーズはエースインパクトと同じ位置からの競馬にはなっていましたが、スルーセブンシーズはフォルスストレートでエースインパクトがあがっていった中、それを追うようにあがっていったオネストのせいであがっていくことができなかったというのがあります。

そのなかで直線まで脚を使わず、そこから一瞬の脚が使えたという感じもあったかもしれませんが結果直線にむいての差が埋まらなかったのでスムーズに外に出せたエースインパクトとの差は大きかったですね。

 

エースインパクトは3歳牡馬で背負っているのが56.5キロ。

スルーセブンシーズは5歳牝馬で58キロを背負っています。

440~450キロ台のスルーセブンシーズにとってはこの重さの違いはあると思います。

実際に58キロを背負ったこともなかったですしね。

また2400mはオークス以来で、そのときは9着に敗れています。

この時期の3歳牡馬との斤量の差は3歳馬有利になりますね。

エースインパクトは33秒06のあがりをしたと言われています。

 

斤量の差や直線でのコース取りや前の詰まったのと前がスッキリあいていたのと、スルーセブンシーズは寄れてきた馬のあおりも受けているので、その条件を加味するとエースインパクトにも負けないレースでの強さをみせていると思いますね。

4着以上の強さがあったのではないかと想像されます。

 

スルーセブンシーズから判断すると、馬場の差は馬場がやや重くらいだと日本馬にもチャンスが広がっているということになります。

過去にも4度の2着があるように、凱旋門賞はとれてないけれども、日本馬にチャンスがなかったわけでもないということ、馬場負けとか力負けというわけでもないし、少しの差が大きな差という風にもとれる紙一重の部分があるってことです。

 

運にも左右されますが、ノーチャンスではないことを示してくれたのはスルーセブンシーズの挑戦は日本競馬に新たなドアを開いてくれた気がします。

 

GⅠ馬でなくとも、可能性がある馬ならチャレンジすべきというのがスルーセブンシーズが示してくれていると思います。

スルーセブンシーズは宝塚記念でイクイノックスにせまっているので、GⅠ馬とそん色ない強さとも言えますが。

 

 

凱旋門賞で勝ち負けするには、追い比べでひるまない馬です。

日本馬は欧州の競馬になれていないために、欧州の先行集団や中団のポジション争いで激しく揉まれるレースにはあまりなれていません。

なのでその位置で揉まれるという競馬は、直線に向く前に力を使ってしまう可能性が高まります。

その中に入れてもそこからさらに抜け出てくる根性や強さがないと勝負になりません。

なので、逃げに近い先行か、はっきりと後ろにポジションをとる方が勝ち負けには近づくのかもしれません。

 

またスロー気味で流れ、一団で急坂をのぼってから、コーナーに入ってから隊列が徐々に長くなるそして、直線に入って一団で追い比べというレースになるのが凱旋門賞です。

そこからものすごい脚を使えないと後ろからは追い上げてはこれないので、追い込み勢だと一瞬切れる脚を使えるっていうのはマストな条件で、さらに凱旋門賞は用意ドーンで最後まで激しく追い続けるので、それに応えるようなメンタルがある馬でないと戦えない部分がありますね。

 

凱旋門賞で届かないと思った中から差し返してくるような馬がいるのも、最後まで馬の手前を変えながら追い続ける名手たちのレースでもあるからです。

 

馬体重重い馬が良いのか、割に小柄な馬が良いのかは、結果からみると比較的軽めの馬が日本馬では好走しています。

おそらくステイヤーに向く馬は小柄な馬が多いのでそういう傾向が出ていると思われますが、脚にかかる消耗度は重い馬の方がかかるものなので、影響があるのかもしれません。

 

ただ背負う斤量は馬体が小さいほど影響度はあると言われますので、そこは繊細なところかもしれませんが、今回のスルーセブンシーズの好走をみると、斤量より馬体重で470キロ以上ではない方が良いと考えるのもありなのかもしれません。

 

スルーセブンシーズの挑戦と結果は日本競馬界が凱旋門賞制覇という夢はこれからも追い続けるべきと後押ししてくれたのではないかと思います。

 

少なからず、スルーセブンシーズは今回の凱旋門賞であとひとつふたつかみあってたら、凱旋門賞に届いたというそんな走りをみせてくれたスルーセブンシーズが無事に日本に帰ってきてまた凄い走りをみせてくれることを祈っています。

 

 

 画像など引用させていただきました

スルーセブンシーズ(凱旋門賞)

 画像など引用させていただきました

 

引用元 

https://jra.jp/

JRA 日本中央競馬会HP  から写真を引用させてもらっています。

 

 

 

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