キタサンブラックの初年度産駒のイクイノックス・ガイアフォース。
当初の評判は初年度産駒がデビューするまではパッとしない評価でした。
初年度産駒にはまだ良い繁殖牝馬が集まりやすいですが、半信半疑が強かったキタサンブラックは2世代目になると質は落ちる傾向が強かったように思われますが、2世代目のソールオリエンス・コナコースト・スキルヴィングなどの活躍で、今年の2歳馬にも注目が集まっています。
今の2歳はまだ評判の良くなかったころの産駒なのですが、この世代からもクラシックに乗ってくるような馬も出てくることが期待されます。
現4歳・3歳の2世代産駒でリーディングも上位に顔を出しており種牡馬としての成功も約束された感じがあります。
キタサンブラックをクラシックの頃から応援していたので嬉しく思います。
今の当歳馬や今年種付けの産駒は馬質もまた向上してきているので、キタサンブラック産駒のこれからの活躍を期待したいところです。
キタサンブラックという馬の競走成績をみていきましょう。
キタサンブラックは20戦12勝(20-2-4-2)という成績です。
GIはクラシック最後の菊花賞を勝ち、天皇賞(春)を連覇、ジャパンカップ、大阪杯、天皇賞(秋)、有馬記念などを勝ち引退しました。
北島三郎さんの所有馬としても有名です。
コンビは4歳の産経大阪杯からコンビを組んだ武豊騎手が有名です。
武豊騎手とのコンビで12戦7勝(そのうちGIが6勝)(7-2ー2ー1)とまさしくトップホースと、レジェンドジョッキーと芸能界の大御所の馬主さんという人気や知名度・そして実力をみせつけて引退した名馬です。
キタサンブラックの血統は、父はブラックタイドでブラックタイドはディープインパクトの全兄になります。デビューから5戦目にしてスプリングSを勝ったときには5戦3勝でクラシックも期待された馬でしたが、その後17戦勝つことなく引退して種牡馬入りしました。皐月賞の後ケガで復帰にも時間がかかってしまったというのも勝つことができなかった原因かもしれません。
馬格は弟のディープインパクトよりしっかりしていて、それがキタサンブラックにも遺伝したのかもしれません。
そして母はシュガーハートでその父はサクラバクシンオーです。1400m以下のレースで12戦11勝で3着に破れた1回は3歳で挑戦した初めてのGIのスプリンターズSの3着1回です。その後スプリンターズSは2勝しています。
そのくらいスピードがある短距離馬でした。
まずはキタサンブラックの全成績をみてみましょう。
デビューから引退レースまで20戦
3歳新馬 東京芝1800m 3番人気 1着 後藤 浩輝
3歳500万 東京芝2000m 9番人気 1着 北村 宏司
GⅡ スプリングS 中山芝1800m 5番人気 1着 北村 宏司
GⅠ 皐月賞 中山芝2000m 4番人気 3着 浜中 俊
GⅠ 東京優駿 日本ダービー 東京芝2400m 6番人気 14着 北村 宏司
GⅡ セントライト記念 中山芝2200m 6番人気 1着 北村 宏司
GⅠ 菊花賞 京都芝3000m 5番人気 1着 北村 宏司
GⅠ 有馬記念 中山芝2500m 4番人気 3着 横山 典弘
GⅡ 産経大阪杯 阪神芝2000m 5番人気 2着 武 豊
GⅠ 天皇賞(春) 京都芝3200m 2番人気 1着 武 豊
GⅠ 宝塚記念 阪神芝2200m 2番人気 3着 武 豊
GⅡ 京都大賞典 京都芝2400m 1番人気 1着 武 豊
GⅠ ジャパンカップ 東京芝2400m 1番人気 1着 武 豊
GⅠ 有馬記念 中山芝2500m 2番人気 2着 武 豊
GⅠ 大阪杯 阪神芝2000m 1番人気 1着 武 豊
GⅠ 天皇賞(春) 京都芝3200m 1番人気 1着 武 豊
GⅠ 宝塚記念 阪神芝2200m 1番人気 9着 武 豊
GⅠ 天皇賞(秋) 東京芝2000m 1番人気 1着 武 豊
GⅠ ジャパンカップ 東京芝2400m 1番人気 3着 武 豊
GⅠ 有馬記念 中山芝2500m 1番人気 1着 武 豊
通算成績 20戦12勝[12-2-4-2]
調教師 清水 久詞(栗東)
馬主 有限会社 大野商事
生産者/産地 ヤナガワ牧場/日高町
中央獲得賞金 18億7684万3000円
毛色は鹿毛
デビュー時の体重が510キロ。
3歳の秋以降は530キロ前後でレースすることが多く、一番少ないときで524キロ、重いときには542キロまで増やしています。
もともと手足の長く、馬格のしっかりした馬です。
20戦して故障もないというのが強みですね。
しっかり乗られてしっかり筋肉をつけてきていました。
雨でも2戦2勝。不良馬場の天皇賞(秋)もまさかの出遅れからも武豊騎手の好騎乗もあって勝利を収めています。
不良馬場も苦にしない方のタイプだったと言えます。
それだけ馬力がある走り。
脚質は自在と言えるタイプですが、逃げや先行。
出足が良くしっかりとした先行力があって、ためればあがり33秒台の脚も使えるというのが特徴で、抜群の勝負根性を持っているので、外から差されても内から差しかえしてくるようなレースも何度かみせました。
また天皇賞(春)を3分12秒5というレコードタイムで走ってるようにスピードもスタミナもあります。
現役当時、凱旋門賞も期待されたキタサンブラックですが、期待する理由がありました。
馬格が良いということ。もし凱旋門賞にでていたら、59.5キロという重さを背負って走らなければなりません。
430キロ台のディープインパクトですら飛ばなくなるような斤量を背負う必要があるのですが、430前後のディープインパクトに比べると、540キロ前後のキタサンブラックは天皇賞(春)などで背負った58キロから1.5キロ重い斤量を背負っても、馬格が違うので馬格がない馬よりは優位に働くと考えられます。
また馬場は気にしないタイプというのも強みになったはずです。
またスピード・スタミナともにかなり高いレベルで3000・3200mといった菊花賞や天皇賞(春)でも結果を出しています。
また先行力があるということで逃げや先行ができる馬だったので展開に左右されにくい、主導権を握りやすいというのもありました。
また直線の長い東京などでもジャパンカップや天皇賞(秋)も勝っていますし、2000mのGI・2400mのGⅠなどにも勝利しております。
また並んで一度抜かれても差しかえしてくるといった部分があります。
差しかえしができる馬というのはメンタルが強いです。
そんなキタサンブラックが凱旋門賞などにいっていたらどうなっていたか興味はつきません。
キタサンブラック産駒でいえばイクイノックスはキタサンブラックに似て手足が長くみえる感じです。
産駒に馬格が反映されれば、手足の長いストライドが大きな馬が生まれてきやすいとも思います。
身体が強いとか、馬格があるっていうのは種牡馬としてプラスに働くと思っていました。
また気性面は良好で乗りやすく、それでいてしっかり勝負根性を受け継いている馬もいて、馬の能力を出せるか出せないかはそういうメンタルの部分が大きいので、メンタルが強めの馬が多く出ている感じもします。
またサンデーサイレンス系のキタサンブラックは潜在的にスピードを持っています。
サンデーサイレンスの気性の激しさが勝負根性に繋がって、産駒にはサンデーのスピードとキレが伝わって90年代後半から旋風を起こしたサンデーサイレンス産駒。
気性難と勝負根性は紙一重で、ステイゴールド産駒×父メジロマックイーンなどは気性とスピードとスタミナの融合として化物を生み出してきました。
キタサンブラック産駒は血統的な背景からも、いろんなタイプの産駒を出しやすいと言えます。
短距離から長距離まで、芝・ダート問わずというタイプも出てきそうな種牡馬です。
キタサンブラック産駒はサンデーサイレンスの4×3という配合も狙えるような牝馬も多く存在すると思われます。
人気種牡馬は150頭を超える種付けを短いシーズンで行わなければなりません。
そういう意味でも馬格があるキタサンブラックは成功する要素をもっています。
産駒はキタサンブラックほど体重がないものが多いので、手足が長い部分を引き継いで、軽さを持って、キタサンブラックより瞬発力に長けた馬が多いのも納得する部分があります。
骨格に筋力が追いついてない部分が、2歳あたりから走る馬もいるが、完成するのは3歳後半からという馬も多く、持続型の産駒も多いのかなという感じがしています。
キタサンブラック産駒の大物が出てくるのはこれからかもしれません。
繁殖牝馬の質がまたあがってくるので楽しみに待ちたいですね。