嘘吐きって推しの子の大きなテーマでもあります。
推しの子の印象的なシーンからピックアップしてみます。
アイ「アイドルは偶像だよ? 嘘という魔法で輝く生き物」
アイ「嘘はとびきりの愛なんだよ?」
出典 赤坂アカ × 横槍メンゴ 『推しの子』 単行本 第1巻 第1話より
同じ『推しの子』 単行本 第1巻 第1話でも
『捏造して 誇張して 都合の悪い部分はきれいに隠す』
『ならば 上手な嘘を吐いてほしいのがアイドルファンというものだ』
『この芸能界において嘘は武器だ』
と言っています。
アクア「嘘は 身を守る最大の手段でもあるからさ」
出典 赤坂アカ × 横槍メンゴ 『推しの子』 単行本 第3巻 第23話より
有馬かな「ある程度キャラ作ってたならまだマシなんだけど、素の自分で臨めば臨んだだけダメージは深い」
出典 赤坂アカ × 横槍メンゴ 『推しの子』 単行本 第3巻 第26話より
人の性格にも変わらない性格と変わりゆく性格があります。
生まれながらに持っている性格をキャラクターと呼び、社会や環境に適した仮面を被り自分として演じていく性格のパーソナリティーというものが混ざりあって一つの性格や個性として表現しているのが人間です。
つまり生まれながらの個性としてのキャラクターと、社会や周りとの関係の中で自分が生きていくために必要な自分を演じながら、どちらも自分という自分の中での境界線を模索しながら生きていくのが人間だと言えます。
人は成長過程でウソは良くないことと教えられてきたはずですが、ウソが必ずしも悪いことではないということにも気づくようになります。
それが社会でいきる上での必要なウソ、優しいウソだったりもします。
必ずしも悪いウソばかりとは言えないことを学んでもいきます。
いわゆる『嘘も方便』ですね。
相手を傷つけたくないときや、自分を良く見せたいときや、その場をしのぎたいときなどに人はウソをつきます。
ウソのタイプは以下のものになります。
★能力・経歴 自分ができるとか優位に立ちたい気持ちから
★引っかけ 冗談・笑い話くらいのつもりで
★見栄 よく見せようと誇張や偽り
★利害 金銭などを得ようと、有利になるようなウソ
★約束破り いいわけ・約束を守れなかった逃げから
★予防線 事実がトラブルを招くおそれがあるときにつく
★甘え 相手を味方につけようとする意図から
★思いやり ほんとのことを話すと相手が傷つくだろうということを考えての
★勘違い 知識不足や思い込みで自覚なしについてしまう
★合理化 失敗をしたときに責められるのを回避するために言い訳をすること
★その場逃れ 咄嗟についてしまう
★罪隠し 自分が悪事を働いたことを知ってて隠そうと
ウソは誰でもつきますが、その種類も上のようにわかれます。
人を騙してしまうウソや傷つけてしまうようなウソは良くないですし、そういう人は結果として嫌われたり、避けられたりするようになってしまうと思います。
誇張や偽りなどが大げさで、自慢話が多い人は他人から嘘吐きっていうレッテルを貼られる場合が多いです。
全くのウソでなくとも、誇張して盛っていると流石に大げさだなって感じる場合があります。
盛るというのは一種の演出で、盛り方にパーソナリティーが出ているとも言えます。
生きていくうちに、成長していくうちに、周囲の環境や社会に自分が適合していくために、ある意味仮面を被りながら、自分の性格というものを作り上げていきます。
嘘をつくことや、自分のパーソナリティーとしての性格で、自分を演じることでもともと生まれつき持ったキャラクターと融合して自分の個性を作っていくのが人間です。
自分の素とはまた違う自分を演じることで、自分自身が深く傷つかないように、ホントの自分が誰かに誹謗中傷されるのを避けようと、ほんとの自分でない自分を演じることが、自分を守る手段とも『推しの子』でも言っています。
『推しの子』が人気になる要因のひとつとして、このように心理学の面などで人の共感を呼んでいると思われます。
人はその話に共感できると興味を持ちます。
誰でも多かれ少なかれウソはつくものですが、優しさや相手のことを思ったウソや人を傷つけないウソならば、優しさや愛情かもしれませんが、人が騙されたとか傷つけられたと感じてしまうウソならば、そんなウソをつく方もつかれる方も関係性や距離感には気を付けないといけないですね。