2024大阪国際女子マラソンが行われ、パリ五輪をかけて挑んだ松田瑞生選手は先頭集団でレースを進めましたが、ハーフ過ぎてから徐々に集団から離されてしまい、後半も粘り、佐藤早也伽選手らを抜き3位まで順位をあげましたが、上位2人の選手からは引き離されて、2時間23分07秒の3位でゴールしました。
松田瑞生選手のラップ 5キロごと
~5キロ 16分32秒
5~10キロ 16分27秒 32分59秒
10~15キロ 16分33秒 49分33秒
15~20キロ 16分35秒 1時間06分08秒
ハーフ 1時間09分47秒
20~25キロ 16分41秒 1時間22分49秒
25~30キロ 17分18秒 1時間40分07秒
30~35キロ 17分38秒 1時間57分45秒
35キロ~40キロ 17分58秒 2時間15分43秒
40キロ以降 7分24秒 2時間23分07秒
ゴールタイム 2時間23分07秒
結婚もしていて、パリを最後の五輪と位置づけ勝負に挑んだ松田瑞生選手。
3戦3勝と相性の良い生まれ育った地元大阪を集大成の舞台として臨んだ大阪国際女子マラソン。
前田穂南選手・佐藤早也伽選手らと先頭集団でレースを進めました。
調子の良いときにはペースメーカーの横に出ていくぞという感じで走る松田瑞生選手ですが、今回の大阪国際女子マラソンはスタートからいつもまでのパワーは感じられませんでした。
それでも、負けない雰囲気は出しながら、流石の存在感で安定しているようにみえました。
実際はコンディションがベストとまでは言えない感じで、ペースメーカーから遅れることはないにしても、余裕があった感じではなかったそうです。
それでもハーフまでは問題なくついていくのだから流石です。
マラソンという競技は走っているうちに何度か苦しいときがやってきます。
それを乗り越えるとまた走れるというのがくるので、余裕がおもうほどない状態のコンディションながらその姿をみせず遅れずハーフまで走りきる松田瑞生選手は流石の実力者でした。
そんな中自分のペースでレースを進めようとした前田穂南選手がハーフを越えてペースをあげたおかげでペースメーカーを含め混乱しはじめ、集団のペースも前田穂南選手を追うようにあがっていきました。
外国人選手が動いたため、外国人選手のペースメーカーのペースがあがったため、新谷仁美選手もペースを守るか他のペースメーカーについていくか迷いながらも、集団がペースをあげたためペースをあげることにためらいながらペースをあげざるを得なかった感じになりました。
その中徐々に引き離されてしまったのが松田瑞生選手です。
松田瑞生選手自体はイーブンくらいのペースメーカーの作るペースにはまっていましたが、前田穂南選手が作り出した流れによって、ペースメーカーのペースがあがるという予想外の展開になりました。
そこで余裕のあるなしが分かれたのが勝負のポイントになりました。
ペースメーカーとともに30キロ以降が勝負と踏んでいたであろう松田瑞生選手にとって、勝負処がはやくきたのが結果的に集団から遅れて単独走になってしまうことで、体力を使うことに繋がった感じでした。
マラソンというのはいつもベストの状態がその日にくるとも限りません。
強い選手でもなかなか簡単なことではありません。
思い描いていたプランが調子がベストでなくとも支えになるものですが、まさかの展開はプランを崩してしまいます。
苦しいながらも遅れることなくペースメーカーの流れに乗っていた松田瑞生選手が、前田穂南選手の飛び出しにペースメーカーも含めて乱されて、スピードがあがって追いかけ始める動きになっていくことで、集団から遅れてしまうという事態が起きるのは、想像しにくいことでした。
足取りが悪くなったわけでもないのにペースについていけなくなってしまったのをみるとベストコンディションではないが松田瑞生選手が戦っているのを感じました。
最後の五輪挑戦と位置づけしたレースでハーフで集団から遅れるというのは非常に悔しいことだと思います。
やりすぎないように調整したことが裏目に出た可能性もありますが、何かを変えてでもさらに次のステージにという気持ちもあったと思います。
それだけ積み重ねてきて過去にも挑戦してきた中で、試行錯誤もあったと思います。
腹筋などの筋トレを控えたりして身体の動きを変えようなどの試行錯誤もあったとききます。
世界選手権も、大阪も何度も走った、記録更新へも何度も挑戦してきた松田瑞生選手だからこそ、最後の五輪挑戦と位置付けただけに、何かを変えたいとチャレンジしたのだと思います。
ペースがあがった中徐々に離れていく中で、それでも何とかと走る松田瑞生選手。
20~25キロは16分41秒と設定タイムのペースメーカーと同じで走り切るも前の佐藤早也伽選手らからも20秒開いてしまいます。
25キロから前田穂南選手の2度目のアタックでさらにペースがあがってしまい、前が視界から消えて5キロ17分台をこえてしまうようになりました。
前の集団とも1分以上差が開いても、タイム的にも順位的にも厳しくなっても、ここを最後のオリンピック挑戦と位置付けた松田瑞生選手は地元大阪の声援を受けてゴールを目指します。
最後までもがき苦しみながら、過去の大阪国際女子マラソンに比べてもベストな走りの状態ではなかったにしろ、最後までゴールを目指します。
最終的には前にいた佐藤早也伽選手ら2人の選手を抜き去って、3番目で競技場に入ります。
40キロ以降を7分24秒とあげてきて、最後まで力強く走る姿でゴールしました。
結果実力を出し切れたのか、ベストだったのかというとわかりませんが、今日の状態のベストを尽くした最高の走りだったと思います。
それくらいマラソンって過酷で難しい。
それでも2時間23分07秒でゴールするところが浪速のフェニックスというべき、マラソンでの絶対的な安定感。
国内では常に2時間21分後半から23分前半程度にまとめていることが多いのが松田瑞生選手です。
これだけの安定感ある走りができるのが松田瑞生選手の強さと言えます。
そんな松田瑞生選手でもオリンピックに届かなかった。
強くても縁がなかったというしかないでしょう。
オリンピックにかける想いは強かった分、そこに届かなかったというのは悔しいでしょう。
結婚もし、年齢的にもここが勝負と、追い込んでキャリアの集大成として狙ったラスト五輪の挑戦は遠のいてしまったけれども、最後までその強さをみせたのは、流石浪速のフェニックス松田瑞生選手だなと感じました。
ほんとに強い選手だと思います。
オリンピアンではないが、レジェンドと言える結果を残してきました。
松田瑞生選手のキャリアはわかりませんが、『悔しい以上にやり切った気持ち』と大阪の声援を受けて走り切った松田瑞生選手の力強い走りでのゴールシーンは印象的でした。
オフィシャルデータ プロフィール
名前
松田 瑞生
生年月日 1995年 5月 31日
出身地(都道府県) 大阪府
出身校 (最終) 大阪薫英女学院高等学校卒
所属
ダイハツ陸上競技部
画像など引用させていただきました
引用元 ダイハツ陸上競技部HP
https://www.daihatsu-trackandfield.jp/
ダイハツ陸上競技部|DAIHATSU TRACK & FIELD
から写真を引用させてもらっています。
引用元 日本陸上競技連盟公式サイト HP
日本陸上競技連盟公式サイト - Japan Association of Athletics Federations
から写真を引用させてもらっています。
主なハーフ・フルマラソン結果
24年 大阪国際女子マラソン2024 3位 2時間23分07秒
23年 世界陸上競技選手権大会(ブダペスト大会) 13位 2時間29分15秒
23年 東京マラソン2023 2時間21分44秒 順位6位
22年 世界陸上競技選手権大会(オレゴン大会) 2時間23分49秒 順位9位
22年 大阪国際女子マラソン2021 優勝 2時間20分52秒 (自己新記録)
21年 札幌マラソンフェスティバル2021 ハーフ 1時間8分32秒 (ハーフベスト)
21年 名古屋ウィメンズマラソン2021 優勝 2時間21分51秒
20年 大阪国際女子マラソン2020 優勝 2時間21分47秒
19年 マラソングランドチャンピオンシップ 4位 2時間29分51秒
18年 ベルリンマラソン2018 5位 2時間22分23秒
17年 大阪国際女子マラソン2017 優勝 2時間22分44秒 初マラソン
16年 2016世界ハーフマラソン選手権 17位
16年 全日本実業団ハーフマラソン大会2016 4位 1時間10分25秒
15年 チェコ・ロードレース遠征マトニ・ウスティ・ハーフマラソン 7位
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