天皇賞・秋はイクイノックスが1分55秒2という驚異的なレコードで他馬をねじ伏せた完勝でした。
勝ったイクイノックスが強いのは間違いない。
3歳時より楽に先行につけれるスピードはやはり父キタサンブラックににて脚が長く伸びやかな馬体からくるもので、馬体自体が4歳になって完成したということだろう。
レースはジャックドールが先頭を主張して、その後ろにガイアフォースがつける。
ジャックドールは昨年逃げで主張できなかった同じ轍を踏まないと主張するのはわかるし、春にマイルなどを経験してきたガイアフォースがスピードを生かして前につけるのもわかる中、自然と3番手につけるイクイノックスの絶対的なスピードとそこにつけるのがベストと判断したルメール騎手の感覚で勝負が決まった感はありました。
逃げ馬に楽に逃げささないポジションで、ドウデュースらよりも前のポジションをとれたら、前も後ろも完封できると判断していたからでしょう。
そこをとった時点で勝負の7割が決まっていたような感じはあります。
イクイノックスが3番手にいる限り、ガイアフォースがその前でジャックドールに鈴をつけるカタチで楽に逃がさないというカタチが出来てしまったから。
向こう正面でポジションが決まってしまい、イクイノックスをみるカタチでドウデュースはレースを進める中1番ノースブリッジと8番ヒシイグアスの真ん中に挟まれてドウデュースは常に隣の馬と併せた感じで緊張の中走らされて2コーナーから最終コーナーまでレースさせられた感があります。
前が流れた分隊列も変わらずその中でずっと3頭のど真ん中で走ったドウデュースがストレスを感じながら走ったというのは間違いないです。
競馬の感覚があいているとそういうストレスの中で競馬すると実力馬でも思うようなレースにはなりません。
実際に4コーナーから前の馬をとらえにいって一瞬せまりそうな雰囲気がありましたが、そこで止まってしまいました。
ドウデュースの上がりタイムが35秒3です。
ドウデュースより前にいた馬でそれよりはやいタイムで走っているのはイクイノックスの34秒2。
前にいて頑張ってドウデュースより先着しているガイアフォースが35秒5です。
ずっと2頭の間に挟まれてコースを限定されながら走らされたドウデュースより前がひらけた状況で1頭ずつ走ってたガイアフォースやイクイノックスの方がポジション的には楽でした。
ドウデュース自身がストレスを抱えながら走り、そして息が入らないような展開で走れば上がりタイムが35秒台というのは納得できます。
ジャスティンパレスやプログノーシスのような位置で走っていればしまいは弾けていたかもしれません。
ただ結果論です。
強い馬を正攻法でまかしにいって完敗。
個人的な見立てだとドウデュースの馬体は仕上がっていたと思うし走れる状況にはあったけど、ジャックドールやガイアフォースやイクイノックスのペースで先行して、走るだけの心肺機能がまだ出来上がってなかったという印象です。
レース間隔があいているし、怪我あけで、調教も秋に入ってからピッチがあがった感じなので、筋肉などはできても、心肺機能はあのペースであの位置取りで対応するのは厳しかったという見立てです。
馬は繊細なので、一番大事なのは走る気持ちです。
逃げ馬のジャックドールが最下位にやぶれるように、馬の走る気持ちが落ちてしまうとかなり脆い部分をみせたり、併せた馬より後ろから抜いていかれると前を追うことをやめたり、逆に前に馬がいて前の馬が迫ってきたらさらに伸びたり、結局は馬の気持ちと気分と、調子と能力です。
先頭に出たらソラをつかったりしてスピードを落としたり、馬は生き物で、考えるから自身で判断します。それをムチや手綱を使ってゴールまで一生懸命走らせるのが騎手です。
結果的には疲れてやめてしまった部分もあってその結果が7着という着順だったと思います。
久しぶりのレースに加え、レースの流れがタイトで、その中でずっと併せ馬の真ん中でストレス抱えながら激しいレースした中で走破タイム自体は悪くないし、一線級相手に
騎手も急な乗り替わりという不運もあったと思います。
それを考えたら、次のレースで一気に変わり身してもおかしくない感じです。
イクイノックスが抜けた存在になったのは間違いないです。
先行できて、そこから33秒台にせまるような脚をつかわれると他の馬の勝ち目は薄くなるのは間違いないです。
ただ、ドウデュースには今や無敵のイクイノックスにせまれる可能性がある馬としてこれからも期待したいです。
次にどのレースに行くのかはわかりませんが、ドウデュースはまだまだこれからの馬だと思うので活躍を期待したいですね。
武豊騎手とのコンビでGⅠを勝利する姿を期待せずにはいられません。
名馬でも長期休養明けで勝つのは難しいです。
その中で果敢にイクイノックスを意識したレースをして、正攻法で立ち向かったのは休み明けでも2番人気を獲得したファンからも勝利を期待されるダービー馬ゆえ。
画像など引用させていただきました
ドウデュース[牡4・鹿毛]
父:ハーツクライ
母:ダストアンドダイヤモンズ
10戦5勝[5-1-1-3]
引用元
JRA 日本中央競馬会 HPから写真を引用させてもらっています。