ねこぷろ

いろんなものを応援し、伝えていきます

パリ五輪代表に王手。天満屋・前田穂南(まえだほなみ・大阪薫英女学院高校卒)が大阪国際女子マラソンで2時間18分59秒の日本新記録。ペースメーカーも関係なしの積極的アタックでネガティブスプリットは世界でも勝負できることを証明。目指す次のアレはパリのメダル獲得が濃厚。

 

※ 当サイトの記事には、広告・プロモーションが含まれる場合があります

 

 

地元岡山の天満屋を応援している天満屋ファンですが、ピンクのユニフォームが大阪国際女子マラソンで躍動しました。

オリンピックのマラソン代表に、代表候補にピンクの天満屋が絡んでいないと寂しく思えます。

残り1つの椅子をかけた大阪国際女子マラソンと名古屋ウィメンズマラソン。

前田穂南選手は自己記録を更新した名古屋を選ぶのか、大阪を選ぶのか注目されましたが、準備期間が短くとも大阪国際女子マラソンを選びました。

大阪薫英女学院高校卒業の前田穂南選手にとって準地元にあたる大阪でパリ五輪をかけて勝負を挑みました。

ブログでも何度も言っていますが、MGCの敗因は雨による低体温症で身体が動かなくなって気持ちとはうらはらにピッチやストライドが伸びなくなって失速に繋がったのが原因です。

東京マラソンで失速したときも強い雨で、中盤まで日本記録ペースでいっての失速でした。

 

 

www.nekopuro.com

MGCのときにも日本記録が狙えるほどの準備が出来ていた中で、連覇しか狙っていないと言いながら、調子が良かった中で結果を出せなくって悔しい想いをしたのは前田穂南選手本人でした。

そのくらい準備ができていて結果が出せないことが悔しかったのでしょう。

MGCはディフェンディングチャンピオンとして臨んで、自分でプレッシャーをかけてとりにいったなかでの走り。

MGCは序盤から引っ張ったのが前田穂南選手で、自信があった中での低体温症での失速でした。

蹴り足が低く長い手足を使ってストライドを取りながらもロスの少ない省エネの走りをする前田穂南選手にとって、見た目からも細く体脂肪なども少ない体型からも、雨などで熱を奪われてしまうと他の選手以上に低体温症になりやすいというのがあったので、敗因ははっきりしていました。

 

本人はダメージが少ないし、準備が間に合うということで自信を持って大阪国際女子マラソンに臨んできたことは明らかでした。

練習をしっかり積めていたからこそ、そこでのタイムなどからAREを狙うと意識していました。

はじめから日本新記録を狙っていたのは間違いなかった中、虎視眈々と準備をしてきました。

 

大阪で3戦3勝の大阪薫英女学院高校の1つ上の先輩松田瑞生選手や、スピードランナーの世界陸上代表の佐藤早也伽選手など、オリンピック出場をかけてタイムを意識した選手たちとの簡単ではないレースに挑みました。

 

 

 

 

 

 

 

 

ペースメーカーがいるので落ち着いてトラックから出ていく前田穂南選手をみて、どこかで狙っているんだろうけど、そのポイントまでどれだけ余裕を持って走れるかをみていました。

5キロ付近から外国人選手と、松田選手・佐藤選手・前田選手の5人とペースメーカーの選手たちというレースが始まりました。

どの選手もペースメーカーのペースにはまってリラックスして走れていましたが、前田穂南選手の長い脚で蹴り足のロスが少ない伸びやかなフォームで楽そうに走るのは余裕があるようにうつりました。

ただ序盤から給水に失敗し、そこで焦りが出ないか心配しましたが、20キロの給水の際外国人選手と交錯してスピードを緩めて給水をなんとかとったとこで一安心しました。

そのなかで、ハーフのポイントを過ぎるタイミングで前田穂南選手は調子的にいけると感じたのでしょう。

自分のペースでいくことを選んで、ペースメーカーよりも前に出て自分の走りに切り替えます。

そのタイミングで他の選手たちはやや度肝を抜かれるカタチになって松田瑞生選手が徐々に遅れてしまいます。

このあたりは第1回のMGCや過去の前田選手と松田選手が初対決した大阪などと同じで、前田選手がマイペースにあげたタイミングで松田選手が遅れるようなカタチになりました。

松田選手自身は遅くなっていないのに、ペースがあがって崩されるようなカタチで松田選手は一人旅になって、結果いつもの強い松田選手の走りにはならなかった感じでした。

 

前田穂南選手があげたものの、無理をしているわけでなくマイペースで自分のリズムで走った感じだったので、他の選手たちもさほど離れず25キロ付近にはすぐ後ろまでまた迫ってきましたが、25キロの給水を経て、またその集団を引き離しはじめました。

 

ペースアップした前田穂南選手にすぐにつける選手がいなかったなか、エデサ選手は2位集団から抜け出て前田穂南選手を追いました。

30キロの給水でまたボトルを取り損ねてしまって少し動揺する場面になりました。

31キロ過ぎたところでエデサ選手が追いついて一気かわされてしまったとき、厳しくなるポイントを迎えましたが、呼吸は苦しくなりつつありましたが。脚はしっかり動いていました。

それだけの練習が積めていたから簡単にエデサ選手に振り切られず一定の距離で走ることができました。

逃げようとするエデサ選手も何度も振り返ってしまうほど、前田穂南選手を引き離せず、前田穂南選手もエデサ選手から引き離されないよう前を追い続けました。

37キロ~38キロで3分26秒とそれまで3分20秒を切るペースから少しペースが一気に遅くなってしまいました。

そのあたりがほんとに苦しいポイントでしたが、次の38キロ~39キロを3分22秒にあげて、次の1キロを3分20秒まで戻して40キロを迎えました。

そして苦しい40キロから41キロを3分20秒でカバーしたとき、日本新記録はいけると感じました。

そしてエデサ選手を追い続けたエデサ選手には逃げ切られましたが、2時間18分59秒でゴールしました。エデサ選手とも8秒差、40mの差くらいでした。

 

前田穂南選手のラップ 5キロごと

~5キロ   16分32秒  

5~10キロ  16分27秒  32分59秒

10~15キロ 16分34秒  49分33秒

15~20キロ 16分35秒  1時間06分08秒

ハーフ  1時間09分46秒

20~25キロ 16分18秒  1時間22分26秒

25~30キロ 16分10秒  1時間38分36秒

30~35キロ 16分21秒  1時間54分57秒

35キロ~40キロ 16分45秒  2時間11分42秒

40キロ以降  7分17秒   2時間18分59秒

ゴールタイム 2時間18分59秒

 

ハイペースでハーフに入った後、ネガティブスプリットで前半より後半タイムをあげてゴールしています。

 

 

前田穂南選手は止まっていた日本の時計をまた動かしました。

これでまた日本が世界に迫れるきっかけに繋がる走りだったと思います。

前田穂南選手も今後まだタイムを縮めていけるかもしれませんし、他の選手もやれると感じたでしょう。

世界との距離は埋まると思います。

タイムがでる海外のレースではなく国内の女子単独のレースで生まれた記録です。

 

今日の前田穂南選手の走りであれば、メダル圏内にも届く可能性がみえてきたと思います。

パリ五輪の切符は決まっていませんが、世界に繋がる走りをした前田穂南選手は賞賛される走りだったと思います。

この走りに触発されて日本が世界に追いついていく日を楽しみにしています。

 

www.nekopuro.com

 

前田穂南選手の強さ。

 

身長が高く長い脚でストライドある走り。

蹴り足が低くロスが少ない省エネ走法でスーッと走っていくので、長距離に適した走り方で、マラソンのようないかに前半に力を使わず走るか、勝負処まで無理せず走るか、そして力を使わずにスピードを維持するかに向いている。

 

それに加えて、自分から、自分のペースでまわりに気にせず、レースを動かしていけるメンタルが武器。

マラソンにおいては、受け身の選手が多い中、自分から動かしていく気持ちの強さがある。

走り方が省エネなので、変化走などで引き出しが増えるとマラソンでの武器が増えた感じがします。

 

第1回のMGCを勝ったように、省エネの走り方なので夏も強い方で、東京五輪では、調子自体が延期の影響や怪我などもあってあがらなかったので、もしパリ五輪に決まれば活躍も期待できる選手だと感じています。

www.youtube.com

 

オフィシャルデータ  プロフィール

画像など引用させていただきました





 引用元  

https://www.tenmaya.co.jp/track_and_field/index.html

天満屋女子陸上競技部 HPから写真を引用させてもらっています。

 



引用元  

https://www.jaaf.or.jp/

日本陸上競技連盟公式サイト - Japan Association of Athletics Federations

 JAAF  日本陸上競技連盟公式サイト  HPから写真を引用させてもらっています。

 

 

名前

前田 穂南

 

生年月日       1996年 7月 17日

身長         166cm

出身校 (最終)   大阪薫英女学院高校卒業

 

所属

天満屋女子陸上競技部

 

30キロの日本記録、フルマラソンの日本記録を更新

フル・日本歴代・日本国内記録など 2時間18分59秒で更新

 

 

主なハーフ・フルマラソン結果

 

24年 大阪国際女子マラソン大会 2位 2時間18分59秒 日本新記録更新(19年ぶり)

 

23年 第2回マラソングランドチャンピオンシップ 7位 2時間27分02秒

 

23年 函館マラソン2023 ハーフ 1時間12分32秒  6位 

 

23年 名古屋ウィメンズマラソン2023  3位 2時間22分32秒 (マラソン自己新記録)

 

22年 函館マラソン2022 ハーフ 優勝 1時間8分28秒(ハーフ自己新記録)

 

22年 仙台国際ハーフマラソン大会2022 優勝 1時間9分08秒 

 

21年 東京2020オリンピック女子マラソン 33位 2時間35分28秒

 

21年 札幌チャレンジハーフマラソン  5位 1時間10分50秒 

 

21年 大阪国際女子マラソン大会 2位 2時間23分30秒

 

20年 青梅マラソン2020 30キロ 優勝 1時間38分35秒 日本新記録

 

19年 山陽女子ロードレース大会 2位 1時間9分08秒 

 

19年 マラソングランドチャンピオンシップ東京2020オリンピック日本代表選考競技会   優勝  2時間25分15秒  東京オリンピック代表内定

 

19年 函館マラソン ハーフ 3位

 

19年 東京マラソン2019 12位

 

18年 山陽女子ロードレース大会 優勝 1時間9分12秒 

 

18年 ベルリンマラソン2018 7位

 

18年 世界ハーフマラソン選手権大会 35位

 

17年 北海道マラソン2017 優勝 2時間28分48秒 

 

17年  大阪国際女子マラソン大会 12位 2時間32分19秒

>