2024年都道府県対抗女子駅伝
2:20:03 岡山代表14位
1区 西村 美月(19) 天満屋 新卒ルーキー・プリンセス駅伝6区区間賞など
( 6km )
20:07 区間27位 27位でタスキ渡し
2区 ドルーリー 朱瑛里(16) 津山高 昨年3区区間賞・IH1500m上位など
( 4km )
12:47 区間5位 19位でタスキ渡し
8人抜き
3区 黒田 六花(15) 京山中 全中1500m王者 中学駅伝優勝メンバー
( 3km )
9:57 区間22位 18位でタスキ渡し
4区 松下 菜摘(28) 天満屋 MGC5位入賞
( 4km )
13:11 区間8位 16位でタスキ渡し
5区 南條 愛歩(15) 倉敷高 全国高校駅伝岡山大会1区2位
(4.1075km)
14:01 区間33位 21位でタスキ渡し
6区 谷本 観月(29) 天満屋 MGC6位入賞 世界陸上マラソン入賞など
(4.0875km)
13:06 区間1位 15位でタスキ渡し
区間賞獲得 6人抜き
7区 樋口 美桜(18) 興譲館高 全国高校駅伝岡山大会1区区間賞
( 4km )
13:14 区間15位 12位でタスキ渡し
3人抜き
8区 石原 万結(14) 京山中 全中800m決勝進出・中学駅伝優勝・4区区間賞
( 3km )
10:01 区間4位 9位でタスキ渡し
3人抜き
9区 立迫 志穂(20) 天満屋 ルーキーイヤーから連続駅伝メンバー入りなど
( 10km )
33:39 区間24位 14位でゴール
岡山代表は結果は14位でした。
選手は非常に頑張った走りでしたが、流れに乗り切れなかった部分や、持っている力がでなかった部分などもあります。
兵庫チームが良い例ですが、2区で田中希美選手が19人抜きで先頭に出てその後の選手が持っている力か、それ以上を出し切れたというレースになったチームもあります。
上位になればなるほどその傾向があるのが駅伝です。
そういう意味ではちぐはぐな結果になってしまった部分もあったかもしれません。
レースを振り返ってみたいと思います。
1区 西村 美月(19) 天満屋 20:07
スタートが後ろからのスタートで走りにくいコース取りになって序盤窮屈な走りになったのが終盤に影響した感じがあったように思えます。
先頭の五島莉乃選手が飛ばす中、きちんと第2集団にポジションをとり、走りにくい位置でのレースで都大路での経験の差が出たレースになった感じもありました。
集団になっているときにはしっかりついて走れていた中、坂の途中で第2集団が前を追い始めたときに位置取りなどもあって流れに乗れなかった部分で集団の後ろまで落ちてしまったのが都大路の坂を経験してなかった差が出ているように思いました。
五島莉乃選手の18分49秒は別格の強さで、同じ集団にいた2位の田浦英理歌選手、3位の酒井美玖選手あたりの19分24秒~25秒あたりから20秒程度で繋ぎたかったところだから約20秒頑張りたかった感じかもしれません。
奥本菜瑠海選手と真也加ジェルーシャ有里選手が五島莉乃選手のペースについていって19分49秒、50秒あたりで繋いでいるのでそのあたりでタスキを渡せたら次の走者が楽になったかもしれません。
兵庫の永長里緒選手が19分48秒で区間20位ということで、その集団で渡せたら田中希美選手を目標にドルーリー選手がスタートを切れたかもしれません。
西村美月選手の力的に19分40秒台では走れたと思うので、この経験で次はさらに強くなると想像できます。
19歳の新卒ルーキーにとってはここで経験できたことがいずれいきてくると思います。
プリンセス駅伝6区(区間賞獲得)やクイーンズ4区の走りをみても、単独走ではしっかり追える走りができる選手なので、集団走での競り合いがドンドン身について強い選手に成長してくれると期待しています。
2区 ドルーリー 朱瑛里(16) 津山高 12:47
西村美月選手からタスキを受け取り力強くスタートしました。
少し前と距離があったので序盤から少し突っ込んだ部分はあったのかもしれません。
坂で脚をつかってしまい、中盤以降が伸びなくなったのはコースなどへの経験の差が出たのかもしれません。
それでも突っ込んで走っていけるメンタルは流石ドルーリー朱瑛里選手といえます。
昨年好走した3区は同じ中学生、さらに下り基調ということでドルーリー選手のスピードが生きた部分もありました。
今回はのぼって下るという区間だったのと、相手が高校生以上で社会人・大学生のスピードランナーがエントリーしてくる区間だったので、後半スピードが落ちてきたところで前の選手が落ちてこないという差が昨年の3区と今回の2区では大きな違いで難しさも感じたのではないでしょうか。
注目が集まった分、のぼりで脚を使った分、後半の伸びに影響した感じが見受けられました。
コーナーの多いコースでバランス崩しそうになったりもあったのも、脚をつかってペース配分で厳しくなったのかなとも感じました。
もらった位置が20秒前だとまた違った走りができたかもしれないので残念な部分もありましたが、最後でまたラストスパートできるところがメンタルが強いです。
バランス崩しながらの走りで最後あれだけ粘れるのはメンタルが強い選手だなと感じました。
次に走ればさらに進化した走りが出せるのではないかと想像できる走りでした。
区間2位の山本有真選手が12分35秒だったので、ペース配分間違わなければ十分届きそうなポテンシャルは持っている選手だなと感じました。
田中希実選手の12分11秒は別格で、ペース配分からのギアのかけ方など余裕が違うのでいずれはそこに追いつく選手として成長してもらいたいとドルーリー朱瑛里選手は期待持てる走りでしたね。
経験値をプラスにできる選手なので、2年になってもインターハイや国体で活躍してもう一段二段上を目指して欲しいですね。
3区 黒田 六花(15) 京山中 9:57
ドルーリー選手からタスキをもらってスタートした黒田六花選手。
黒田六花選手の力から考えると9分20秒台では走れる走力を持っていると思うので、黒田六花選手としても不本意な走りになってしまったのではないかと推測できます。
下り基調なので前半から突っ込んで入る選手が多い区間になりますが、身体があたたまる前にオーバーペースで突っ込むと、酸欠気味になってしまうため、スタートしてから体が慣れてくるまでにはそれなりの時間は落ち着いて入らないと足が動かなくなってしまいます。
オーバーペースまで突っ込んではなかったようにみえましたが、黒田六花選手は注目される立場でもあったので、レース前に興奮状態でいつもよりはやく苦しくなったかもしれません。
なので実力が出し切れなかったのは残念でしたが、こういう経験をしてさらに強くなっていける選手だと思うので、ここをバネに高校生になっても飛躍して欲しいなと感じました。
東京の一兜咲子選手などもそうでしたが、実力はあって区間上位で走れる力があったとしても、もらった順位や位置で走りが難しくなるものでもあります。
チーム的には持っている実力から言えば10位までは引き上げて欲しかった分想定より後ろにはなりました。
1区・2区・3区で上手くかみあって実力が出し切れたら1分は違っていると思うので、3区終了時で42分51秒だったので、そこから1分ならば3区2位通過の41分50秒の静岡付近まで浮上できていたはずなので、チームとして誤算があったのかもしれません。
4区 松下 菜摘(28) 天満屋 13:11
想定よりも後ろできた流れをもう一度引き上げようと走った松下菜摘選手。
大阪国際女子マラソンも控えているので、この区間に入ったと想像できますが、無理はできない中チームのために良い走りをみせてくれました。
区間賞をとった福島の鈴木葵選手が12分51秒だったことを考えると松下選手の区間8位のこの走りは計算通りくらいの走りだったと思います。
調子が悪くないのを確認できたのは良かったです。
大阪国際女子マラソンでも好走できるメンタルや調子などを確認できたので、期待をして応援したいですね。
MGC同様の最後まで諦めない走りをみれると思います。
同じ天満屋の前田穂南選手や大東優奈選手なども参加する大阪国際女子マラソンで松下菜摘選手選手の活躍もみれれば岡山県民としても嬉しいですね。
5区 南條 愛歩(15) 倉敷高 14:01
5区くらいになると集団走ではなく単独走に近い状況になってくるので難しい区間になります。
5区自体がアップダウンもありきついコースです。
高校1年の南條愛歩選手は走る力はあります。
まだ経験が少ない中での難しい順位の中でもう20秒ははやくタスキを繋げたかもしれませんが、難しい区間をしっかり繋いだという感じですね。
高校駅伝岡山大会の1区2位で走った力からみれば、1年ということを考えれば次に繋がると思います。
想定されていた入賞圏内で走っていたらまた力以上が出せたかもしれません。
高校生でまだ2回走るチャンスがあります。倉敷高校の1年生エースとして来年以降に期待したいですね。
6区 谷本 観月(29) 天満屋 13:06
見事な区間賞でラストランを飾りました。
谷本選手自体怪我をしていたようです。
そんな中競技者最後の走りを区間賞で締めくくる有終の美はなかなかできないことです。
谷本選手の追い上げが岡山チームにまた追い上げムードをもたらしたと思います。
笑顔の走り最高でした。
谷本選手のレース後語った言葉に
岡山の若き中高生たちに
みんな、大きくなったら天満屋に入ってください
とメッセージを残しました。
岡山出身・天満屋の選手っていうのは谷本観月選手や小原 怜選手、松下菜摘選手、高橋実夢選手が今天満屋に在籍しています。
岡山以外からも天満屋に入りたいと入ってきてくれる選手がいる中、岡山から岡山の天満屋に入りたいという選手が増えることがプラスになると、頑張ればトップ選手になれるというのをみせてくれた谷本選手でした。
7区 樋口 美桜(18) 興譲館高 13:14
強い大学生・高校生なども集まってくる7区下り基調もあってスピードランナーが揃う区間です。
京都の太田咲雪選手(立命館大)の区間賞から約40秒差で、同じ高校生のトップレベルの古田島彩選手や久保凛選手などから約20秒差なのを考えるとあと15秒程度は詰めれる実力があったかもしれません。
良い順位を走っていた広島の銀河学院・高橋美月選手などが区間5位で走っているのをみると、良い順位で走っていれば同等のタイムを出す力はあったようにも思えます。
それでも難しい順位で受けながら前を追って3人を抜く走りは流石興譲館のエースでした。
暮れの都大路の走りから比べると上向いていたので良い走りだったと思います。
興譲館自体今年は難しい一年だったと思う中でエースとして高校駅伝岡山大会の1区区間賞は流石でした。
社会人大学生でも頑張ってもらいたい選手ですね。
8区 石原 万結(14) 京山中 10:01
同じ中学生区間でも3区に比べると走りにくい区間が8区です。
のぼり基調である上に、コースも広く、単独走になる区間で力がないと走りにくい区間です。
逆に前に目標があると実力以上に力がでる区間でもあると言えるのですが、石原選手がもらった位置は7位と間があいてそのあとも差がある区間で目標になるものが少ない難しい状況でした。
そんな中捉えれる選手を全て捉えてもうひとつ前の選手が離れた状況の位置まで3人抜いて追いかけました。
区間4位は持っている力から言えば区間賞も狙えるくらいの力はあったと思うので、区間賞の宮城・男乕結衣選手と20秒差の区間4位は順位やポジションさえ違えば同じくらいでは走れたかもしれません。
そのくらい単独走は難しいです。
さらに石原万結選手は1500mも強いですがそれより800mの方が強いので、スタミナ面でのぼり基調の8区は難しいレースになったかもしれません。
ただ中学2年生ということを考えると来年も中学生区間で出場可能です。
来年リベンジの区間賞を狙ってくれると期待しても良さそうです。
楽しみですね。
9区 立迫 志穂(20) 天満屋 33:39
2年連続の最長区間の9区。
アンカー区間を新卒ルーキーから2年連続走るっていうことは凄いことです。
立迫選手の実力が全部出し切れたかは微妙で、プリンセス駅伝などでみせた走りから比べると少し物足りない感じがするので、もっともっと走れるはずです。
山陽女子ロードなどでもそうですが、今ひとつの壁みたいなものに感じているところかもしれません。
年末に体調を崩していたというのも伝わっているので、谷本選手同様ベストの状態ではなかったのかもしれません。
ただ、まだ高卒2年目の若手で、ハーフをステップしたので、今後マラソンに挑戦するだろう選手と期待されています。
吉薗栞選手と立迫志穂選手はマラソンデビューを控えた状態だと思います。
同じ9区を走った選手で言えば宮城・小海遥選手は1学年上の世代の選手で区間2位の32分07秒。
同じく1学年上で谷本七星選手区間6位
1学年下の長島 奈南 (城西国際大)区間15位。
同じ学年の名城大の長距離エースの原田紗希選手が区間30位だったのをみると実力があっても難しいと言えます。
立迫志穂選手は期待の若手なので、マラソンに向かうシーズンだと思うので飛躍してもらいたいなと思っています。
力通り上手くかみ合えば、大きな爆発的な好走がなくとも入賞圏内には届いていた可能性が高いチームでした。
そういう意味では結果上手くいかなかった部分や流れがきてなかった部分はあると思いますが、どの選手も最後まで岡山のために尽くして走ってくれたと思います。
いつも感じますが郷土の誇りです。
これからもそれぞれの選手が競技において飛躍されることや怪我なき競技人生であることを祈りながら、応援していきたいと思っています。
引用元
https://www3.nhk.or.jp/sports/special/rr/zen-jyo/
NHK HPから写真を引用させてもらっています。