めぞん一刻についていろいろと掘り下げていこうと思っています。
前回のお話はこちら ↓
今回は第20話『影を背負いて』、注目すべきやりとりをみていこうと思います。
このページの引用元は 出典 高橋留美子 『めぞん一刻』
第20話『影を背負いて』になります。
以降 出典 高橋留美子 『めぞん一刻』より
突然の雨に困っている響子さんをみつけたこずえちゃんが声をかけて、響子さんとこずえちゃんの相合傘になります。
五代くんの女友達のこずえちゃんは響子さんには少し微妙な関係です。
こずえちゃん 「五代さん、学校ですか?」
響子さん 「はい、夕方には帰ると思いますけど」
こずえちゃん「あら、いつもそんなに早く?」
響子さん 「えーと、月・水は夕方、火・金は8時頃、木曜は家庭教師のバイトで10時頃、土曜は定まらず・・・」
こずえちゃん 「なんでそんなにくわしいんですか?」
響子さん 「なんでって管理人ですから」
出典 高橋留美子 『めぞん一刻』より
天然なところがあるこずえちゃんでも響子さんが管理人以上の五代くんに近い関係なのか疑ってしまうくらい、響子さんは五代くんの日常を知っているところがすごいです。
響子さんも知らず知らずのうちに五代くんを他の住人以上に意識しているのは間違いないところです。
ただ、それ以上の関係でもないところが2人の距離感です。
こずえちゃんと響子さんで話をしていて、こずえちゃんは響子さんが未亡人なことを知ります。
そして、響子さんと亡くなった旦那さんのエピソードなどを聞きます。
響子さん 「初恋の人なんですよ。」
こずえちゃん 「初恋の人と結婚できたの、いいなー」
こずえちゃん 「五代さんね・・あたしの初恋の人にそっくりなんですよ。あたしが一方的に憧れてただけなんだけど。」
響子さん 「へえ、おもしろい人だったんですか?」
こずえちゃん 「すてきな人でした~」
出典 高橋留美子 『めぞん一刻』より
響子さん意外と失礼です。
こずえちゃんの初恋の相手が五代くんにそっくりって言われて、おもしろい人だったんですかは、こずえちゃんにも、五代くんにも失礼かもしれません。
ただ、響子さんの中では五代くんのイメージってまだそんなものなのかもしれません。
ちょっと気になるダメな弟的存在くらいのものなのかもしれません。
天然のこずえちゃんと鈍感な響子さん。
この二人の会話は噛み合わないことが多いのがめぞん一刻です。
天然不思議ちゃんのこずえちゃんと、鈍感でヤキモチ焼きの響子さん。
その二人にふりまわされていく五代くんの3角関係を展開していきます。
今回の『影を背負いて』は未亡人の響子さんは旦那さんの惣一郎さんの影を背負いて、五代くんはこずえちゃんの初恋の人の影を背負いてということになる感じでしょうか。
五代くんにとって影ではなく自分をみてくれるようになることが話の展開の次へのステップとなっていきますね。
想い出や記憶を自分の色に変えていくのって簡単なようで簡単でないときもありますね。それくらい初恋って新鮮なものなのかもしれません。
これからも、めぞん一刻に興味をもっていただければ幸いです。