めぞん一刻についていろいろと掘り下げていこうと思っています。
前回のお話はこちら ↓
今回はめぞん一刻・第22話『あなたのソバで』より、注目すべきやりとりをみていこうと思います。
このページの引用元は 出典 高橋留美子 『めぞん一刻』
めぞん一刻・第22話『あなたのソバで』よりになります。
以降 出典 高橋留美子 『めぞん一刻』より
四谷さん 「五代くんは田舎に帰らないんですか?」
五代くん 「元旦の夜に帰りますよ」
四谷さん 「親不幸ですな。年内に帰りなさいよ」
五代くん 「しかたないでしょ。大晦日のバイトで帰りの旅費稼ぐんだから」
朱美さん 「汽車賃実家から送ってきたんじゃないの?」
五代くん 「遣い込んでしまいました。」
四谷さん 「同情の余地なしですな」
五代くん 「四谷さんはどうすんの?」
四谷さん 「私にはちゃーんと帰るところがあるんです。休みもとりましたしね。」
朱美さん 「年がら年中休んでんじゃないの。」
五代くん 「仕事なにしてんですか?」
四谷さん 「教えたげません」
出典 高橋留美子 『めぞん一刻』より
なんだかんだと仲の良い一刻館の住人です
五代くんの部屋に集まるのは定番です。
五代くんの部屋寒いからでしょうか?五代くんと朱美さんは一緒の布団をかぶって一杯やっています。
四谷さんの職業はほんと不明です。っていうか仕事してないですよね。
めぞん一刻で一番謎の多い人物なのが四谷さんです。
趣味はのぞきとたかり。
自称五代くんは私のペット・玩具という四谷さんです。
大晦日に一刻館にいる五代くんを朱美さんは響子さんと管理人室で紅白をみながら過ごす女子会に誘います。
五代くんも響子さんも朱美さんも大勢になったことでテンションがあがり喜びます。
そんな大晦日の日に朱美さんは急にスキーに誘われつい約束してしまいます。
朱美 「でもやっぱりまずいよね。五代くんとふたりっきりにするのは。やっぱスキー断わるわ。」
そんな朱美さんの声をきいて、響子さんは大丈夫だからスキーに行ってらっしゃいと、友達とのスキーを後押しします。
朱美さん 「でもー、貞操の危機よ。」
響子さん「まさか、考えすぎですよ、朱美さん。もっと五代さんを信用してあげなくっちゃ」
と言いながらも不安に思う響子さん
出典 高橋留美子 『めぞん一刻』より
何も知らない五代くんに対して、ふたりっきりで管理人室でソバや紅白をみることになるという事実を意識する響子さん。
響子さんの方が意識してしまうっていうのが良いですね。
五代くんは3人で一緒に過ごすことにたいして2人っきりだと良かったのにと妄想しちゃいます。
五代くんは妄想するといつも何かに頭をぶつけて妄想していたことに気づくのがめぞん一刻の定番です。
そのあとふたりっきりの時間を過ごすことになるのですが、五代くんは響子さんの手を握ろうとか、スキンシップをしようとか、押し倒そうとかするのですが、響子さんにうまくかわされたり、邪魔が入ったりします。
そして何もできずに管理人室を後にすることになります。
響子さんも意図的にかわしたものではないので、何もしてこなかったと五代さんは紳士なんだと勘違いしてしまいます。
こういう部分などでみせる響子さんはほんと鈍感です。
少し意気地なしの優柔不断な五代くんと、鈍感でおかたい響子さんのつかず離れずの関係がめぞん一刻の基本的なかたちですが、それがどう変わっていくのかを楽しみながら読んでいくのも楽しいのがめぞん一刻です。
今回の22話は『あなたのソバで』ですが
年越しのソバと、ふたりっきりのそばという距離感を描いた話と言えます。
これからも、めぞん一刻に興味をもっていただければ幸いです。