めぞん一刻についていろいろと掘り下げていこうと思っています。
前回のお話はこちら ↓
今回はめぞん一刻・第21話『マフ等、あげます』より、注目すべきやりとりをみていこうと思います。
このページの引用元は 出典 高橋留美子 『めぞん一刻』
めぞん一刻・第21話『マフ等、あげます』よりになります。
以降 出典 高橋留美子 『めぞん一刻』より
五代くん 「残りは二千円とちょっとか・・・うー、たいしたもん買えんなあー。」
悩む五代くん
五代くん 「なんも贈らずにすますか・・・いやいや公然とプレゼントできるのはクリスマスくらいだし。安くったっていーよな、誠意の問題だもんな」
出典 高橋留美子 『めぞん一刻』より
五代くんクリスマスのシーズンは毎年のように悩んでます。
貧乏学生の五代くん、管理人の響子さんへの想いは真面目です。
自分に言い聞かせるように、金額ではない誠意だと・・・。
プレゼントって見栄とかそういうものがでやすいですね。
男はとくに悪いプライドだと思います。
プレゼントって選ぶ過程とかが大事だと思います。
しっかり考えて選んだプレゼントって伝わるものです。
それが伝わらない相手だとすれば、想いをよせる価値もないのかもしれません。
こずえちゃんからの電話を取り次いでもらった五代くん。
昔のアパートとかってこんな感じだったんですね。
携帯電話やスマホが普及した世の中では考えられませんが、昔の男女って今では考えられないくらい時間や手間や労力を費やしています。
簡単でないから、簡単に手に入らないから、簡単には手放さない?というわけではないですが、今では不便と感じる世の中にも趣きってあるような感じもします。
五代くん 「おばさん露骨に聞き耳たてないでよ。」
一の瀬のおばさん 「彼女からの電話だからって全力疾走してくることないだろ、電話は逃げないんだから」
五代くん 「そりゃ電話は逃げませんよ」
管理人室の前の廊下で話す五代くんと一の瀬のおばさん。
管理人室の響子さんが気になるのか、管理人室をながめてしまいます。
一の瀬のおばさん「管理人さんに会いたきゃ、ノックすりゃいいだろが」
五代くん「用事ないもん」
一の瀬のおばさん「作りゃいいだろ、用事なんて。ちっとひあ三鷹コーチの図太さを見習いな」
五代くん 「あいにく。ぼくはナイーブなんです。」
出典 高橋留美子 『めぞん一刻』より
一の瀬のおばさんは意外と正論で五代くんに指摘していることが多いです。
まともで達観したような言動の振る舞いもできるのが、ただの痴話ばなしが好きなおばさんでもないところが一の瀬のおばさんのいいところですね。
世話焼きな部分もあるのが、ときに余計なお世話もありますが、五代くんや響子さんをひとつ同じ屋根の下に住む家族のような目線で見守る感じも、一刻館の良さのようにも感じますね。
五代くんはまだまだ経験の少ない奥手の学生という雰囲気があります。
クリスマスにプレゼントを買った五代くん。
響子さんへ渡そうと思っています。
そんなクリスマス前日にこずえちゃんと待ち合わせしています。
こずえちゃんが手編みの帽子を編んでくれました。
こずえちゃんへのプレゼントを考えていなかった五代くん、あわてて響子さんにあげようとしていたイヤリングをこずえちゃんにプレゼントしてしまいます。
響子さんへのプレゼントがなくなってしまった優柔不断の五代くん。
一刻館へ帰ってきた五代くんへ、響子さんは久々に顔をみせます。
なかなかあえなかった五代くんは久々にあえて嬉しく感じています。
そんな響子さんから、マフラーをプレゼントされます。
響子さんは時間をかけてマフラーを編んでいたのです。
五代くんはなんとかお返しをしなければとおもいますが、もうプレゼントを買うお金もありません。そんななか、昨年のクリスマスで渡しそびれたプレゼントを持ったままにしていたことをおもいだし、一晩かけて探します。
五代くんは必死で去年渡せなかったブローチをみつけ、それを響子さんに渡すことができました。
渡せなかったものが渡せるって良いですね。
結果無駄にならなかったなら、想いをとどけれて良かったですね。
プレゼントってそこに想いが伝われば素敵なものにもなりますね。
五代くんは響子さんからのマフラーに喜びましたが、響子さんが何日も徹夜で編んだマフラーはひとつではなかったです。
四谷さんや朱美さんなど一刻館の住人の分や三鷹さんの分までありました。
五代くんにとっては特別ではなかったけど、三鷹さんとの天秤ではなく、他の住人の分まであったのをみて、響子さんの人柄や優しさを感じたのかもしれません。
響子さんはケガでみんなに迷惑かけたのでお礼がしたかったようです。
第21話の題がマフラーではなくマフ等というのは、高橋先生らしい語呂あわせですね。
今の響子さんにとって、五代くんや三鷹さんはまだそれくらいの距離感とも言えるわけです。
まだまだ響子さんは亡き夫惣一郎さんへのおもいの方が大きいことを示しているとも言えますね。
これからも、めぞん一刻に興味をもっていただければ幸いです。